スウェーデン オンラインセミナーを開催しました。
4連休の最終日ですが、いかがお過ごしでしょうか?
ハッキリしない天気と政府の方針で、予定を立てにくい連休となってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな中、オンラインセミナーを開催いたしました。
今回は、スウェーデンに在住の矢作ルンドベリ智恵子さんにスウェーデン事情についてご講演頂きました。
その中で印象に残ったお話を紹介させて頂きます。
■フィーカ Feca
コーヒーCafeを逆さから読んでフィーカFecaという名前になっていて、コーヒーやお菓子を皆で食べながらおしゃべりをする休憩時間の事のようです。
・気取らないおもてなし~多少家が散らかっていても問題なし、完璧さをもとめないラーゴムなおもてなし
・一緒にコーヒーを飲むことで人との繋がりを深めることができる『社交の場』であり、シャイなスウェーデン人が人と仲良くなるために必要なツール
・コーヒーに合う美味しいお菓子が欠かせないのもフィーカの特徴。コーヒーと美味しいお菓子、そして人が揃って初めてフィーカが成立
・フィーカはスウェーデン文化の重要な一部であり、スウェーデンの人々の生活にしっかりと根付いた伝統的な習慣でもある。
日本でも、やっている人はやってそうなことなのですが、その時間に名前がついていて、多くの人に認知されている習慣で、仕事中の休憩でもさぼってるとは思われず、情報交換や創造の場にもなっているそうです。
■ラーゴム
・Lagom(ラーゴム)という言葉は「ちょうどよい、ほどほど」という意味。 自分にとって「ちょうどよい」加減を意味し、人それぞれ違いがある。
・大金持ちになるのが目標ではなく、ほどほどに働き、ほどほどに稼ぎ、ほどほどに余暇を楽しむ、というのが「幸せ」という考え方。
・他人と比較せず、自分を主体にしてちょうどよい加減がわかってくると、楽に生きて生きやすい。
・物事の決定権が常に自分にあると、自分にとって居心地のいい暮らしが実現できる。
・スウェーデンはほどほどの社会、誰にとってもほどほど社会=高い税金と高福祉国家
ラーゴムは、考え方のバランスを取る基準になっていて、仕事や家族、インテリア、食べ物、環境、お金などの面で、スウェーデンの社会に深く浸透しています。バランスを保つため、自分でできることでストレス無くし、幸せを感じる理想的な状態になる事を目指す考え方。
悪いことではありませんが、仕事に対して厳しめの考え方を持っている日本人は多いのではないかと思います。でも改めてラーゴムのような考え方を紹介されるとふと我に返るというか、楽になる気もします。
ワークライフバランスでは下のように紹介されていました。
事前の打合せ中に聞いたところ、定時になるとほとんどの人が退社して、そのあとは自分の時間を過ごすそうです。
前にドイツ人に聞いた時も同じよう、定時に仕事を切り上げて、公園でスポーツをしたり家族と過ごしたり、ワークアウトしているという返答がありました。
■SDGs
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発標目標)」
2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。
スェーデンはSDGsの国際ランキングで1位になっているそうです。
・SDG #13 「気候変動」 → CO2はすでに26%削減 (1990年〜2016年)
※国の目標: CO2を100%削減する・SDG #8,9 「経済」 → GDP成長率 58% (1990〜2016年)。世界イノベーションランキング 2位
・SDG #3 「健康」 → 家庭ゴミのリサイクル率 99%
・SDG #2 「食べ物」 → 国の目標: 食品ロスを50%削減 (2017年: 32%削減達成)
・SDG #7 「エネルギー」 → 国の目標: 2020年まで石油ゼロ
2017年: 電力の2%以下は石油。65%はグリーンエネルギー・SDG #5 「男女平等:」 → 企業の取締役の32%は女性
・SDG #10 「不平等の是正」 → LGBT(性的少数者)認証システム導入
(認証された幼稚園、企業、老人ホーム、自治体など)。
上の項目は特に達成度が高い項目ですが、その項目が、日本で話題や問題になるテーマであることが多いように感じます。
数値で表せるものや感覚的なもの混在していますが、自分や周りの家族、その周りの社会、そして世界とつながっている事を
様々な角度から見ることで、豊かさや幸福の度合いの違いを感じたセミナーでした。 井野口